香川県の県庁所在地は高松市!県名不一致の真相と2026年の全貌
四国の北東部に位置し、全国で最も面積が狭い自治体として知られる香川県。その行政・経済の中枢を担う県庁所在地が高松市です。瀬戸内海に面した美しい港町であり、本州と四国を結ぶ交通の要衝として発展を遂げてきました。
しかし、学校の地理の授業やクイズなどで「なぜ高松県ではなく香川県なのか?」と疑問を抱いた経験を持つ方は少なくありません。実は、この県名と市名が一致しない背景には、明治維新期の激動の政治ドラマ、全国で唯一となる「県の2度の消滅と3度の設置」という過酷な歴史が隠されています。本稿では、県庁所在地・高松市の基礎知識から県名誕生の真相、名建築として名高い県庁舎の価値、そして2026年最新動向まで、一次情報と現地取材データを交えて徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:香川県の県庁所在地は高松市であり、県庁舎が置かれた当時の郡名「香川郡」に由来して県名が決定された。
- 要点2:香川県は明治の廃藩置県後、名東県(徳島)や愛媛県への編入を経て、1888年に全国で最後に独立を果たした「3度生まれた県」である。
- 要点3:2026年現在、高松市はサンポート地区の再開発や新アリーナ開業により、四国の玄関口かつ瀬戸内文化の中枢として都市機能を急速に高めている。
【歴史の謎】なぜ「高松県」ではないのか?県名と市名が異なる決定的な理由
47都道府県を見渡すと、青森県青森市や広島県広島市のように「県名=県庁所在地名」の自治体が多い一方、香川県高松市や愛知県名古屋市、宮城県仙台市のように不一致の地域が存在します。ネット上では古くから「戊辰戦争で旧幕府側についた藩が、明治新政府によって県名を変えられた(賊軍制裁説)」という俗説がまことしやかに語られてきました。
しかし、近年の歴史研究や公文書の精査によって、この「賊軍懲罰説」は学術的に否定されています。香川県高松市の場合、県名が「高松県」にならなかった決定的な要因は、「郡名採用ルール」と「地域融和の行政的配慮」にありました。
かつての讃岐国には、東部の高松藩(12万石・松平家)と西部の丸亀藩(5万1千石・京極家)という二大勢力が併存していました。1871年(明治4年)の廃藩置県によって当初は「高松県」と「丸亀県」が分立しましたが、同年11月にこれらが統合され、讃岐国全域を管轄する単一の県が誕生します。
統合に際し、新政府は県庁を高松城内に設置することを決定しました。もし統合後の県名を「高松県」にしてしまえば、旧丸亀藩領の武士や領民に「高松藩に吸収・屈服させられた」という強い反発や不平等感を生む恐れがありました。そこで、県庁が所在する土地の広域地名であった「香川郡」から名を取り、中立的な名称として「香川県」が採用されたのです。
なお、「香川」という地名自体の由来については諸説あります。平安時代の辞書『和名類聚抄』にも記されている古い地名であり、代表的な説として以下の2つが挙げられます。
- 樺川(かばかわ)転訛説:現在の高松市塩江町付近を流れる香東川の上流に樺の木が多く茂り、そこから流れる川を「樺川」と呼んでいたものが転じたという説。
- 芳香説:水源地付近に咲き誇る花々の香りが川の水に移り、芳香を放っていたことから「香川」と呼ばれるようになったという伝承。

【激動の廃藩置県】全国で唯一「2度消滅し3度誕生した」香川県の苦難
香川県が現在の形に定着するまでの道のりは、全国の地方行政史の中でも極めて異例の紆余曲折をたどりました。香川県は、明治期に「2度地図から消え、3度設置された」という特異な歴史を持っています。
明治政府による度重なる府県統合の波に飲み込まれ、香川県は以下のような過酷な再編を余儀なくされました。
- 第1次香川県(1871年):廃藩置県に伴い誕生するも、わずか約1年3か月後の1873年(明治6年)に財政基盤の強化を理由として名東県(現在の徳島県)に強制編入され、一度目の消滅を迎える。
- 第2次香川県(1875年):旧讃岐国の士族や豪商らの請願活動が実り、名東県から分離して再設置される。しかし、翌1876年(明治9年)の大規模な府県再編により、今度は愛媛県へ強制併合され、二度目の消滅を経験する。
- 第3次香川県(1888年):愛媛県議会における讃岐側の発言権軽視やインフラ投資の格差に不満を募らせた地元有志が立ち上がり、猛烈な分県運動を展開。1888年(明治21年)12月3日、ついに愛媛県から独立を果たし、現在の香川県が最終的に確立された。
この第3次香川県の誕生は、1889年の大日本帝国憲法発布の直前であり、日本全国で最も遅く成立した都道府県の独立劇でした。この不屈の独立運動を主導したのが、後に東京株式取引所理事長や日本商工会議所会頭を務め「近代日本経済の重鎮」となった高松出身の政治家・中野武営(なかの たけなか)です。
当時の一次資料や回顧録には、松山(愛媛県庁)に吸い上げられる税金への憤りと、四国新道や港湾改修を自らの手で進めたいという讃岐人の強固な自治独立の意志が赤裸々に記録されています。高松が県都として現在ある姿は、単なる官僚主導の区画整理ではなく、先人たちの執念と政治闘争によって勝ち取られたものです。
【データ比較】県都「高松市」と第二の都市「丸亀市」の決定的な違い
香川県の地理的・経済的構造を理解する上で欠かせないのが、東の県都「高松市」と西の中核「丸亀市」の比較です。両市は歴史的出自が異なるだけでなく、現代における都市機能や産業構造においても明確な役割分担がなされています。
| 比較項目 | 高松市(県都・東讃) | 丸亀市(第二都市・中讃) | 編集部の構造分析 |
|---|---|---|---|
| 人口規模(2026年概況) | 約41万3,000人(県全体の43%超) | 約10万8,000人(県内第2位) | 高松市への一極集中傾向が継続しつつも、両市で県人口の過半数を占める。 |
| 都市機能・産業特性 | 国の出先機関、四国統括支社、第3次産業中心 | 造船・化学コンビナート、伝統工芸(うちわ) | 高松は「管理・サービス・商業の中枢」、丸亀は「ものづくり・製造業の拠点」。 |
| 交通インフラ | 高松港(小豆島・直島航路)、JR高松駅、高松空港 | 瀬戸大橋線(坂出至近)、予讃線特急停車駅 | 高松は四国内・離島アクセスのハブ、丸亀は本州(岡山方面)直結の利便性。 |
| 主要な観光・文化資源 | 栗林公園、高松城跡、サンポート、屋島 | 丸亀城(現存木造天守)、MIMOCA(猪熊弦一郎現代美術館) | 歴史庭園と現代アートの高松、石垣の名城と現代美術の丸亀として棲み分け。 |
データが示す通り、高松市は香川県のみならず「四国の支店経済都市」として、中央省庁の出先機関やメガバンク・大手企業の四国支社が集中する政治・金融の司令塔です。一方、丸亀市は坂出市とともに瀬戸内工業地域の中核を形成しており、対照的な個性によって県全体の産業バランスが保たれています。

【建築と文化】丹下健三設計の香川県庁舎と世界が認める栗林公園の真価
高松市が誇る都市的魅力の双璧といえるのが、昭和モダニズム建築の最高峰である香川県庁舎と、近世大名庭園の極致である栗林公園(りつりんこうえん)です。
世界の建築史に刻まれた「香川県庁舎旧本館(東館)」
高松市番町に建つ香川県庁舎東館は、世界的建築家・丹下健三の設計により1958年(昭和33年)に竣工しました。当時の知事・金子正則の「民主主義の時代にふさわしい、県民に開かれた庁舎を」という強い信念のもとで建てられたこの建築は、2022年に戦後モダニズム建築として全国で初めて国の重要文化財に指定されました。
最大の特徴は、鉄筋コンクリート造でありながら、日本の伝統的な木造寺院建築の「梁(はり)」や「柱」の構造美を完璧に表現した点にあります。1階ピロティは壁を排して県民が自由に行き交える開放空間とし、猪熊弦一郎による大壁画『和敬清寂』がエントランスを彩ります。免震改修工事を経て安全性を確保した現在も現役の庁舎として使われており、国内外から建築ファンが絶え間なく訪れる文化的ランドマークです。
「一歩一景」の美学を誇る特別名勝・栗林公園
高松市中心部に広がる栗林公園は、国の特別名勝に指定されている回遊式大名庭園です。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにおいて最高評価の「三つ星」を連続獲得しており、世界的な知名度を誇ります。
紫雲山を借景とした約75ヘクタール(東京ドーム約16個分)の広大な敷地には、6つの池と13の築山が巧妙に配置されています。歩みを進めるごとに景観が劇的に変化する「一歩一景(いっぽいっけい)」の緻密な作庭技術は、江戸時代初期に讃岐高松藩主・生駒家から松平家へと受け継がれ、100年以上の歳月をかけて完成しました。朝の静寂の中で掬月亭(きくげつてい)から眺める南湖の景色は、訪れる人々を圧倒し続けています。
【2026年最新動向】サンポート高松再開発と四国の中枢拠点としての現在地
現在、高松市は「瀬戸内の国際観光・MICE都市」へと向けた歴史的な大変革期を迎えています。その震源地となっているのが、JR高松駅北側に広がる臨海エリア「サンポート高松」です。
2025年にグランドオープンを果たした大型多目的アリーナ「あなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)」は、最大収容人数1万人規模を誇り、中四国最大級の屋内施設として大規模コンサートや国際スポーツ大会を次々と誘致しています。さらに、隣接エリアには外資系高級ホテル「マンダリン オリエンタル」の開業計画が進行するなど、富裕層インバウンドの滞在型観光拠点としての整備が加速しています。
また、現代アートの世界的祭典である「瀬戸内国際芸術祭」の玄関口としての機能も定着しました。高松港からは直島、豊島、小豆島、女木島、男木島へと向かうフェリーが頻繁に発着し、アートを目的に世界中からクリエイターや旅行者が流入しています。
都市構造の面では、高松市はいち早く「コンパクト・プラス・ネットワーク」の街づくりを推進してきました。ことでん(高松琴平電気鉄道)の連続立体交差化や新駅設置、瓦町フラッグ周辺の商業活性化、自転車道の整備などにより、中心市街地で日常生活と高度な都市機能が完結する利便性の高いスマートシティモデルを確立しています。

【実態検証とプロの結論】ネットの誤解と移住・拠点選定の判断基準
県都・高松市に対する世間のイメージには、一部で現実との乖離が見られます。現地調査と最新の住民意識データをもとに、よくある誤解を是正し、生活・ビジネス拠点としての客観的な評価を下します。
誤解1:「うどん屋しかなく、食文化が偏っている」の真相
「うどん県」のPRがあまりに成功したため、食のバリエーションが乏しいと誤解されがちですが、実態は大きく異なります。高松中央卸売市場には瀬戸内海の新鮮な魚介(オリーブハマチ、サワラ、真鯛など)が集積し、市内には質の高い割烹やフレンチ、イタリアンが密集しています。また、高松中央商店街は総延長約2.7kmにおよぶ日本屈指の長さを誇るアーケード街であり、全国展開のグルメから個性的な個人店まで極めて豊かな食環境が整っています。
誤解2:「四国は水不足で生活が過酷」の真相
香川県は全国で最も降水量が少ない地域の一つであり、過去に「昭和48年渇水」や「平成6年渇水」などの大渇水を経験したのは事実です。しかし、1974年の香川用水の完成(吉野川から導水)およびため池群のネットワーク化、近代的な配水コントロールシステムの導入により、現在では日常生活における給水制限リスクは大幅に低減されています。
【プロの結論】高松市への移住・拠点設立における判断基準
地方都市への移住やサテライトオフィス開設を検討するにあたり、高松市が適している層と慎重に検討すべき層のプロファイルを以下に提示します。
高松市を強くおすすめできる人
- 「都会の利便性」と「豊かな自然・文化」を両立させたい人:コンパクトな市街地に百貨店、大型商業施設、高度医療機関が集約しており、車で20分走れば瀬戸内海の絶景や山林にアクセスできるバランスの良さがあります。
- 瀬戸内アート・離島巡りを日常にしたいクリエイティブ層:港が生活圏に直結しており、週末にふらりとフェリーで島のアートや自然を満喫するライフスタイルが手に入ります。
- 中四国エリア全体のビジネス拠点を構築したい法人:四国4県への高速道路アクセス、本州(岡山)へのマリンライナー(約55分)、高松空港からの羽田・成田・アジア直行便と、陸海空のハブ機能が四国で最も充実しています。
選定に慎重になるべき人
- 完全な「車なし生活」で郊外まで自由に移動したい人:中心市街地や駅近エリアは徒歩・自転車・ことでんで快適に生活できますが、郊外の大型商業施設や自然エリアへ日常的にアクセスするには自家用車が不可欠です。
- 大雪や冷涼な気候を好む人:瀬戸内海気候特有の温暖で雨の少ない気候であり、冬季の積雪はごく稀です。夏場の高温多湿な気候に抵抗がある場合は適応に注意を要します。
【香川 県 の 県庁 所在地】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:香川県の県庁所在地はどこですか?また県庁舎へのアクセスは?
A1:香川県の県庁所在地は高松市です。香川県庁舎は高松市番町四丁目に位置し、JR高松駅から徒歩約20分、または「ことでん」瓦町駅から徒歩約10分、県庁前バス停から徒歩約1分でアクセス可能です。
Q2:なぜ県庁所在地が高松市なのに「高松県」ではないのですか?
A2:明治4年の廃藩置県で高松藩と丸亀藩が統合された際、旧丸亀藩側の反発を避け地域融和を図るため、高松城のあった地域全体の郡名である「香川郡」から名前を取って「香川県」と命名されたためです。
Q3:丹下健三が設計した香川県庁舎は見学できますか?
A3:国の重要文化財に指定されている「香川県庁舎旧本館(東館)」の1階ロビーやピロティ、猪熊弦一郎の壁画などは、開庁時間内であれば一般の県民や観光客も自由に見学することができます(業務エリアを除く)。
Q4:高松市の現在の人口と暮らしやすさはどうですか?
A4:2026年現在の人口は約41万人で、香川県全体の人口の4割以上が集中する中核市です。雨が少なく温暖な瀬戸内海気候、充実した商店街や医療環境、コンパクトシティ政策による高い都市機能により、住みやすさランキングでも四国トップクラスの評価を得ています。
まとめ:歴史の紆余曲折を越えて進化を続ける県都・高松
香川県の県庁所在地・高松市は、単に「県庁が置かれている都市」という枠にとどまりません。明治維新の廃藩置県における二度の消滅危機を乗り越え、地域の誇りと自治を勝ち取った先人たちの情熱が息づく街です。
伝統の大名庭園「栗林公園」と世界が称賛する「丹下健三の県庁舎」という歴史的・文化的ストックを持ちながら、2026年現在の高松市はサンポート地区の再開発や新アリーナの稼働によって、四国のゲートウェイから「瀬戸内グローバル文化都市」へと力強い進化を遂げています。歴史の背景を知ることで、このコンパクトで魅力に満ちた県都の風景は、より一層深く鮮やかに映し出されるはずです。 (出典: 香川 県 の 県庁 所在地(Yahoo!ニュース))