今期とは?当期・前期・来期との違いや期間の数え方を徹底解説
ビジネスの現場やニュースで日常的に使われる「今期(こんき)」という言葉。売上目標の設定から決算発表、人事評価の面談に至るまで頻繁に登場しますが、商談相手や社内メンバーと会話する中で「具体的にいつからいつまでの期間を指しているのか」「『当期』や『今年度』とどう使い分けるべきか」と疑問を抱いた経験を持つ方は少なくありません。
言葉の定義や期間の認識が1か月でもズレていると、スケジュールの遅延や予算配分の食い違いなど、重大なビジネストラブルに発展する恐れがあります。本稿では、今期という言葉の正確な意味と期間の決まり方、関連する会計用語との明確な違い、さらにはアニメ業界における特殊な使われ方まで、現場で役立つ実務知識を網羅して分かりやすく紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「今期」とは企業が独自に定めた事業年度(会計年度)の「現在の期間」を指し、会社ごとに開始月と終了月が異なる。
- 要点2:口頭や日常会話では「今期」、財務諸表や法的な書類では「当期」を用いるのがビジネス上の厳格な使い分けである。
- 要点3:前期・来期・上期・下期・四半期といった関連期間の構造を把握し、日付ベースで合意形成することが誤解防止の鍵となる。
【基礎知識】今期とは具体的にいつからいつまで?会計年度と決算期の数え方
ビジネスにおいて「今期」とは、企業が活動や業績を区切る単位として設定した「現在の事業年度(会計年度)」を指します。カレンダー通りの1月1日から12月31日までの「今年(当年)」とは必ずしも一致しない点が最大の特徴です。
日本の会社法および税法上、事業年度の期間は原則として1年以内(通常は丸1年間・12か月間)であれば、企業が自由に開始月と決算月を設定できます。そのため、「今期がいつからいつまでか」は、所属する組織や取引先の決算月によって個別に決まります。
国税庁の統計調査データによると、日本国内に存在する法人のうち約20%弱が3月決算を採用しており、官公庁の会計年度(4月1日〜翌年3月31日)に合わせた「4月開始〜翌年3月終了」が最も一般的なサイクルとなっています。ただし、小売業に多い2月決算や、外資系・グローバル企業に多い12月決算など、業態によってサイクルは様々です。
また、「第〇期」という決算期の数え方は、法人が設立されてから何回目の事業年度を迎えているかを表します。例えば、2020年4月に設立された3月決算の法人の場合、2026年4月1日から2027年3月31日までの期間は「第7期」にあたります。歴史の長さを表す指標としても機能するため、創業記念や周年事業の基準としても活用されます。

【徹底比較】今期・当期・前期・来期の決定的な違いと使い分けルール
社内会議や決算資料の作成時によく混同されるのが、「今期」「当期」「前期」「来期」といった時系列を表す用語の使い分けです。それぞれの意味と適用範囲を整理した以下の比較表で全体像を把握しておきましょう。
| 用語 | 詳細・時間軸 | 主な使用場面・文脈 | 編集部の見解・注意点 |
|---|---|---|---|
| 今期(こんき) | 現在進行中の事業年度 | 社内会議、プレゼン、口頭の会話 | 最も汎用性が高いが、公式な会計書面には適さない。 |
| 当期(とうき) | 対象としている現在の計算期間 | 財務諸表、決算短信、有価証券報告書 | 「当期純利益」など会計基準に準拠した正式用語。 |
| 前期(ぜんき) | 直前に終了した1つ前の事業年度 | 前年対比の業績比較、実績報告 | 半期区分の「上期(前期)」と混同しないよう注意。 |
| 来期(らいき) | 今期の次に訪れる事業年度 | 予算策定、経営計画の策定、口頭 | 「次期(じき)」と同義。文脈に応じて使い分ける。 |
| 前々期(ぜんぜんき) | 前期よりさらに1つ前の事業年度(2年前) | 中長期の成長推移分析、IR説明会 | 3期比較などの財務トレンド分析で頻出。 |
特に実務で重要視されるのが「今期」と「当期」の使い分けです。両者は時間軸としては同じ期間を指しますが、使用される文脈が明確に異なります。「今期」は日常会話やビジネスチャット、社内ミーティングなどで幅広く使われるフランクな表現であるのに対し、「当期」は企業会計原則や会社法に基づいた公式な会計用語です。
例えば、損益計算書における最終的な企業の純損益を表す勘定科目は「当期純利益(または当期純損失)」と表記され、「今期純利益」と書かれることはありません。契約書やオフィシャルなIRリリースを作成する際は、感情や主観の混じらない「当期」を用いるのが原則です。
上期・下期とクォーター(四半期)の構造|ビジネスを動かす期間の単位
1年間の事業年度をさらに細かく分割し、業績進捗を管理する仕組みとして「半期」と「四半期」が存在します。これらは目標管理や人事評価のサイクルに直結しているため、正確な期間区分を理解しておく必要があります。
事業年度を半分(6か月)ずつに分けたものを「上期(かみき)」と「下期(しもき)」と呼びます。前半を上期、後半を下期と位置づけ、3月決算企業であれば「4月〜9月が上期」「10月〜翌年3月が下期」となります。業界によっては「前期・後期」や「1st Half(H1)・2nd Half(H2)」と呼ばれるケースもあります。
さらに、上場企業に法的な開示義務(四半期決算短信など)が課されている3か月ごとの単位が「四半期(クォーター:Q)」です。1年間は以下のように4つの期間に均等分割されます。
- 第1四半期(1Q):年度開始から3か月(3月決算企業の場合は4月〜6月)
- 第2四半期(2Q):年度開始から4〜6か月(7月〜9月)※上期決算のタイミング
- 第3四半期(3Q):年度開始から7〜9か月(10月〜12月)
- 第4四半期(4Q):年度開始から10〜12か月(翌年1月〜3月)※本決算のタイミング
「今期の第2四半期までに売上目標の50%を達成する」といったように、四半期はスピード感を持った経営判断を下すための必須単位として定着しています。
【カルチャー別】アニメ業界における「今期」の意味とクールの仕組み
「今期」という言葉は、ビジネスの場だけでなく、ポップカルチャーやSNSのトレンドとしても頻繁に使われています。特にアニメファンやエンタメ業界で用いられる「今期アニメ」というフレーズは、ビジネスの事業年度とは全く異なるルールで動いています。
放送・アニメ業界では、1年間を約3か月(10〜13話程度)ずつ4分割した単位を「1クール(Cours)」と呼びます。この3か月ごとの放送枠サイクルにおいて、現在放送されている新作タイトルの総称が「今期アニメ」です。
- 冬アニメ(冬クール):1月〜3月放送開始
- 春アニメ(春クール):4月〜6月放送開始
- 夏アニメ(夏クール):7月〜9月放送開始
- 秋アニメ(秋クール):10月〜12月放送開始
SNS上で「今期の覇権アニメ」と語られる場合、それは「現在放送中の四半期枠で最も注目されている作品」を意味します。日常会話とビジネスシーンで「今期」が指す期間の長さ(3か月なのか1年間なのか)が変化するため、文脈を正しく読み取ることが求められます。
【実務で使える】今期の言い換え類語と目標設定・報告のビジネス例文
シチュエーションに応じた適切な言葉選びができるよう、今期の言い換え表現と、日々の業務でそのまま活用できる目標設定・報告の例文を整理しました。
文脈に応じた今期の言い換え・類語
- 今年度(こんねんど):官公庁や教育機関、年度区切り(通常4月〜3月)を強調したい場合に適した表現。
- 当事業年度(とうじぎょうねんど):株主総会招集通知や決算説明会資料など、極めてフォーマルな文書で用いられる表現。
- 本期(ほんき):規約や社内通達などで「当該の期」を指す際に用いられる硬い表現。
- Current Fiscal Year(カレント・フィスカール・イヤー):外資系企業や英文メールで「今期」を表す標準的な英語表現(略称:FYxx)。
目標設定・業務報告で使える実践例文
【営業計画・目標設定の例文】
「今期の営業部目標として、新規開拓顧客数を前期比120%に引き上げ、下期にローンチ予定の新規SaaSプロダクトにおいてARR(年間経常収益)5,000万円の達成を目指します。」
【人事考課・自己評価シートの例文】
「今期目標として掲げた『業務プロセスの自動化による工数削減』について、第3四半期までに社内ワークフローの移行を完了させ、チーム全体で月間45時間の残業抑制を実現いたしました。」
【取引先への挨拶・進捗連絡の例文】
「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。弊社におきましては、本日より第15期(今期)がスタートいたしました。本期も貴社のビジネス成長に貢献できるよう、一層のサービス向上に努めてまいります。」

【実態検証】現場で起きるコミュニケーション齟齬とネットの誤解
ビジネスの現場では、「今期」という言葉の曖昧さに起因するトラブルが後を絶ちません。大手ポータルサイトの知恵袋やSNSの相談コミュニティを検証すると、「相手の言う今期が具体的に何月までか分からず、納期設定が狂った」「カレンダー通りの年内だと思い込んでいたら決算期の末日だった」といった切実な悩みが数多く見受けられます。
典型的なトラブル事例として、「3月決算のA社」と「12月決算のB社」による共同プロジェクトが挙げられます。11月のミーティングでA社の担当者が「今期中に開発を完了させましょう」と発言した場合、A社側は「翌年3月末まで」を想定していますが、B社の担当者は「12月末まで」と解釈してしまうリスクがあります。この3か月の認識ズレは、プロジェクトの予算執行や人員アサインに致命的な破綻をもたらします。
また、「今期=今年度」という思い込みも危険です。特に外資系企業やグローバルスタンダードを導入している企業では、12月決算(1月〜12月)が一般的であり、4月〜翌3月をベースにした年度感覚とは3か月のズレが生じます。社内外を問わず、言葉の定義を相手任せにすることは大きなリスクを伴います。
【プロの結論】期間定義のズレを防ぐ「ビジネス・バウンダリー」の構築法
組織論およびコミュニケーション心理学の観点から言えば、指示語や抽象的な期間概念に頼るやり取りは、個々人の認知バイアス(自分にとっての当たり前を相手に投影する心理)を引き起こす最大の要因です。
業務上の誤認を防ぎ、健全な業務境界線(ビジネス・バウンダリー)を保つためには、以下の3原則を徹底することが強く推奨されます。
- 原則1:指示語を日付に変換する
口頭で「今期中」「来期案件」と発言した直後に、必ず「具体的には〇月〇日(〇月末)まで」と西暦・月日を添えて明文化する。 - 原則2:相手企業の決算期を把握する
新規クライアントとの取引開始時に決算月を確認し、相手の「今期」がどのサイクルで動いているかをCRMや顧客カルテに記録しておく。 - 原則3:テキストログで合意を取る
会議後の議事録やメールの文面では、「第〇期(2026年4月1日〜2027年3月31日)」のように期間を括弧書きで明記する習慣を組織全体に浸透させる。
【今期 と は】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:履歴書や職務経歴書に実績を書く際、「今期」という言葉を使っても良いですか?
A1:避けるのが賢明です。転職活動の応募書類は提出時期や閲覧されるタイミングが変動するため、「今期」と書くといつの実績か判別できなくなります。「2025年度(2025年4月〜2026年3月)売上目標達成率115%」「第12期 営業部MVP受賞」のように、具体的な西暦年度や期数で客観的に記述してください。
Q2:個人事業主(フリーランス)における「今期」とはいつからいつまでですか?
A2:個人事業主の場合、所得税法により会計期間が「1月1日〜12月31日」と一律で定められています。法人のように決算月を自由に選択することはできないため、個人事業主の「今期(今年度)」は常にその年の1月1日から12月31日までの1年間を指します。
Q3:英語のビジネスメールで「今期の目標」と伝えたい場合、どう表現すれば自然ですか?
A3:事業年度を指す場合は「our target for this fiscal year」または「goals for FY2026(Fiscal Year 2026)」と表現するのが最も標準的です。四半期単位であれば「targets for this quarter(Q2 targetsなど)」と記載することで、ネイティブにも誤解なく正確に伝わります。
まとめ:期間の定義を正しく押さえてビジネスの信頼性を高める
「今期」という言葉は、日々の業務を円滑に進める上で欠かせない便利な表現である一方、組織ごとの決算期や文脈によって指し示す範囲が柔軟に変わる多義的な用語でもあります。
公式な財務諸表で用いられる「当期」、直前・直後を指す「前期」「来期」、そして進行管理を細分化する「上期・下期」「四半期」の構造を体系的に理解しておくことは、社会人としての基礎リテラシーです。曖昧な表現を具体的な日付へと変換する丁寧なコミュニケーションを心がけ、正確で信頼されるビジネス実践を積み重ねていきましょう。 (出典: 今期 と は(Yahoo!ニュース))