「この木なんの木」の正体と現在地|ハワイ名所の真実と歴代CM秘話
テレビから流れてくる「この木なんの木 気になる木」という耳馴染みのあるフレーズ。日立グループの企業CMとして半世紀以上にわたり放映され、世代を超えて日本人の記憶に深く刻まれている名曲です。画面いっぱいに美しい枝葉を広げる大樹を見て、「絵画やCGなのでは?」「一体どこにあるどんな植物なのか」と疑問に思った経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、あの樹木は架空の存在ではなく、常夏の島ハワイ・オアフ島に実在する巨木です。名作曲家・小林亜星氏が手掛けたCMソングの誕生秘話から、歴代の歌唱者、そして2026年現在における現地の最新状況や入場料まで、知られざる事実を詳しく解き明かしていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「日立の樹」の正体はハワイ・オアフ島「モアナルア・ガーデン」に立つ樹齢約130年の「モンキーポッド」。
- 要点2:1973年の初代CMは実写ではなくイラストであり、歴代CMではシンガポールなど別の場所の樹木が使われた時期もある。
- 要点3:作曲・小林亜星氏、作詞・伊藤アキラ氏による名曲は複数回リニューアルされ、現在は環境保全契約のもと現地が守られている。
【正体を暴く】「この木なんの木」の場所と木の種類|ハワイ実在の真相
CMでおなじみの「日立の樹」は、アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島のホノルル市街地郊外にある歴史ある公園「モアナルア・ガーデン(Moanalua Gardens)」に実在しています。ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港)から車で約15分ほどの緑豊かな敷地に、圧倒的な存在感を放ちながら堂々とそびえ立っています。
植物としての種類は、中南米原産のマメ科ネムノキ亜科に属する「モンキーポッド(Monkeypod)」(学名:Samanea saman/和名:アメリカネムノキ)です。雨が近づくと葉を閉じる習性から現地では「レインツリー(Rain Tree)」とも呼ばれ、日の出とともに葉を開き、日没とともに葉を閉じる独特のリズムを持っています。
モアナルア・ガーデンにあるこの個体は、樹齢約130年、高さ約25メートル、枝の広がり(幅)約40メートル、幹の周囲は約7メートルという桁外れのスケールを誇ります。ハワイの温暖な気候と豊かな土壌に育まれ、カメハメハ王家ゆかりの歴史ある土地で、1世紀以上もの間大切に守り継がれてきました。

【歴史と歴代歌手】小林亜星と伊藤アキラが生んだ国民的CMソングの歩み
誰もが口ずさめるキャッチーなメロディと歌詞は、日本のCM音楽史を代表する黄金コンビによって生み出されました。作曲を担当したのは数々のヒット曲を生み出した巨匠・小林亜星氏、作詞は数多くの名フレーズを遺した伊藤アキラ氏です。正式な楽曲タイトルは「日立の樹」(副題:この木なんの木)と名付けられています。
1973年の放映開始当時、日立グループが掲げたテーマは「総合力」と「豊かな社会への貢献」でした。広大な大地に根を張り、無数の枝を伸ばして花を咲かせ、人々に木陰を提供する大樹の姿に、多角的な事業を展開するグループの理念を重ね合わせたのです。
音楽プロデューサーや関係者の証言によると、制作当時は「企業名を連呼せず、視聴者が自然と温かい気持ちになり、最後に企業姿勢がスッと伝わる構造」が徹底的に追求されました。半世紀にわたり時代に合わせてボーカルやアレンジが刷新されており、歴代の歌唱者には時代を彩る実力派アーティストが名を連ねています。
【データ比較】歴代CMの変遷と「日立の樹」のスペック
多くの人が「ずっと同じハワイの木が放映されている」と思い込んでいますが、実は歴代CMを振り返ると、撮影地や演出は時代とともに変化を遂げています。公式発表資料および過去の放映アーカイブに基づく比較データは以下の通りです。
| 世代・年代 | ロケ地・樹木の種類 | 主な歌唱者 | 特徴・演出のポイント |
|---|---|---|---|
| 初代(1973年〜) | 実写なし(イラストアニメーション) | 朝コータロー、ヒデ夕樹、シンガーズ・スリー | イラストレーター和田誠氏によるアニメーション。実写の木はまだ登場せず。 |
| 2代目(1975年〜) | ハワイ・オアフ島(初代モンキーポッド) | 朝礼志、ヒデ夕樹、シンガーズ・スリー | 初の実写化。現在のモアナルア・ガーデンとは異なるハワイ現地の木を採用。 |
| 3代目(1979年〜) | ハワイ・オアフ島(モアナルア・ガーデン) | アンサンブル・ボッカ | 現在の「日立の樹」となるモアナルア・ガーデンのモンキーポッドが初登場。 |
| 4〜5代目(1980年代) | シンガポール/ロサンゼルスなど | ヒデ夕樹、朝礼志、杉並児童合唱団 ほか | グローバル展開に合わせ海外各国のマンゴーの木や大樹を一時的に起用。 |
| 6代目〜現代 | ハワイ・オアフ島(モアナルア・ガーデン) | INSPi(インスピ) ほか | モアナルア・ガーデンの木に完全定着。ハイビジョン・4K撮影で鮮明に記録。 |

【実態検証】モアナルア・ガーデンの現在と渡航者が知るべきリアル
ハワイ旅行の定番オプショナルツアーやレンタカーの立ち寄りスポットとして知られるモアナルア・ガーデンですが、近年訪れる際にはいくつか重要な確認事項があります。
かつて公園は地元有志や観光客に向けて無料で一般開放されていましたが、歴史的景観と広大な樹木の維持管理費用を賄うため、現在は入場料(大人1人あたり約10ドル前後、子ども料金設定あり)が設定された有料施設として運営されています。日立グループは公園の所有者である現地の財団等と権利契約を結び、多額の協賛金・保全費用を提供することで、この象徴的な大樹の健康と景観保護をサポートし続けています。
実際に現地を訪れた旅行者のSNS投稿やコミュニティレビューを分析すると、以下のような生の声が寄せられています。
- 「ワイキキの喧騒から離れ、木陰に入ると涼しい風が吹き抜けて驚くほど癒やされる」
- 「画面で見る以上に横への広がりが圧倒的で、パノラマ撮影でないと全景が収まらない」
- 「公共バス(TheBus)でも行けるが、最寄りバス停からの徒歩移動や運行本数を考えると、レンタカーやタクシー・ツアー利用が圧倒的に快適」
【プロの結論】モアナルア・ガーデン訪問に向いている人・慎重になるべき人
おすすめできる人:ハワイの豊かな自然と静けさを味わいたい人、昭和・平成のカルチャーやCM史に愛着がある人、木陰でゆっくりピクニックを楽しみたいファミリー層。
慎重になるべき人:ワイキキ周辺のビーチやショッピングモールだけを手短に巡りたい人(移動時間がかかるため)、巨大なテーマパークのようなアトラクション・ショップを期待している人(あくまで歴史公園のため商業施設感はありません)。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上やSNSで囁かれる「日立の樹」に関する噂には、いくつか事実と異なる誤解が存在します。現地取材データや公開記録から、代表的な3つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:あの木は日立製作所が所有する私有地にある?
「日立が山ごと買い取った」「企業の私有樹木」という噂がありますが、これは明確な誤りです。モアナルア・ガーデンはカメハメハ5世の別荘があった由緒ある私有公園であり、ハワイの地元財団(Moanalua Gardens Foundation等)および現地オーナーが所有・管理しています。日立は商業利用権および撮影独占権、ネーミングに関するパートナーシップ契約を締結して保全活動を支援している立場です。
誤解2:初代CMからずっと同じハワイの木が使われている?
前述の比較表の通り、1973年の初代CMは和田誠氏のイラストによるアニメーションでした。さらに1980年代にはシンガポールの公園やアメリカ本土の樹木が起用された時期もあり、試行錯誤の末に「最も枝振りが美しく、人々に安心感を与える木」としてモアナルア・ガーデンのモンキーポッドに回帰・定着したという歴史があります。
誤解3:年中いつでも同じ姿で花が咲いている?
モンキーポッドは常緑樹に近い性質を持ちますが、年に2回(主に5月〜7月頃および秋頃)、ピンクがかった繊細で美しい絹糸のような花を咲かせます。CM映像では青々とした葉の茂みが印象的ですが、開花シーズンに訪れると、緑のドームに淡いピンクの花が散りばめられた息をのむような絶景に出会えます。
【専門家分析】なぜ「この木なんの木」は半世紀を超えて愛されるのか?
広告心理学およびコーポレート・ブランディングの観点から見ると、「日立の樹」のキャンペーンは日本のメディア史上最も成功したCI(コーポレート・アイデンティティ)戦略の一つと評価されています。
社会学的に見れば、高度経済成長期からバブル期、そして令和の不確実な時代に至るまで、日本人が潜在的に求めてきたのは「変わらない安心感」と「頼もしさ」でした。小林亜星氏が紡いだシンプルで温かいヨナ抜き音階(日本人に親和性の高い音階構造)をベースにしたメロディと、「見たこともない木ですから 見たこともない花が咲くでしょう」という未来への希望を示唆する伊藤アキラ氏の言葉。これらが一体となり、視聴者の無意識下に「大樹=守ってくれる包容力=日立グループの信頼性」という強固なメンタルモデルを構築しました。
テクノロジーが急速にデジタル化・AI化していく現代だからこそ、大地にしっかりと根を張り、雨風を耐え抜いて人々に木陰を提供するオーガニックな巨木のシンボルは、より一層の情緒的価値と説得力を持って私たちの心に響き続けています。
【この 木 なん の 木】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:モアナルア・ガーデンへの行き方と所要時間は?
A1:ワイキキ中心部から車やタクシー(Uber等)を利用した場合、H-1フリーウェイ経由で約20〜30分程度です。公共バス「TheBus」を利用する場合はルート31などでアクセス可能ですが、バス停からの徒歩移動が必要となるため、現地のオプショナルツアーやレンタカーの利用がスムーズです。
Q2:「この木なんの木」の歌詞は全部で何番までありますか?
A2:公式に制作されたフルバージョンには3番まで歌詞が存在します。CMでよく耳にする「この木なんの木 気になる木〜」から始まるフレーズは1番のサビ部分であり、フルコーラスを聴くとより壮大な世界観と未来へのメッセージが描かれています。
Q3:日本国内に「この木なんの木」と同じモンキーポッドは見られますか?
A3:モンキーポッドは熱帯植物のため、日本の本州の屋外でハワイのような巨木に育つことは困難です。しかし、沖縄や奄美大島などの温暖な地域、あるいは国内の大規模な植物園の大温室(熱帯植物ドームなど)で同種の木を観察することができます。
まとめ:時代を超えて根を張る「日立の樹」が教える本質
何気なく口ずさんできた「この木なんの木」というフレーズの先には、ハワイ・オアフ島の大自然が育んだ樹齢130年のモンキーポッドの雄姿と、昭和の広告クリエイターたちが込めた不変の企業哲学が存在していました。
ハワイを訪れる機会があれば、ぜひワイキキのビーチだけでなくモアナルア・ガーデンまで足を伸ばし、あの巨大な木陰の下に立ってみてください。写真や画面越しでは味わえない圧倒的な生命力と、半世紀にわたり日本人の心を癒やし続けてきた理由を肌で実感できるはずです。 (出典: この 木 なん の 木(Yahoo!ニュース))