クロテッドクリームとは?バターとの違いや食べ方・買える場所を徹底解説
アフタヌーンティーの普及や英国カフェ文化の定着に伴い、スコーンに添えられる定番として急速に認知度を高めている乳製品が「クロテッドクリーム(Clotted Cream)」です。一見すると生クリームのようでありながら、スプーンですくうとバターのように濃密で、口に含むと驚くほど軽やかに溶けていく独特のテクスチャーを持っています。
しかし、日常的に使う調味料や乳製品と比べると店頭で見かける機会が限られているため、「生クリームやバターと何が違うのか」「どこで購入できるのか」「自宅にある材料で代用できるのか」と疑問を抱く方も少なくありません。伝統的な製法から成分の違い、本場英国流の美味しい食べ方、主要スーパーでの取り扱い実態や保存テクニックまで、専門的な知見をもとに徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:クロテッドクリームは乳脂肪分約55〜60%の英国伝統乳製品で、生クリームのミルキーさとバターのコクを併せ持つ。
- 要点2:表面の黄色い膜「コーニッシュ・クラスト」は品質の証であり、本場ではスコーンにたっぷりと「のせて」味わうのが作法。
- 要点3:ロダス製などを成城石井やカルディ、百貨店で購入可能なほか、水切りヨーグルトや生クリームを用いた手軽な代用も可能。
【徹底解剖】クロテッドクリームとは?発祥の歴史と「黄金の膜」の正体
クロテッドクリームは、イギリス南西部のデヴォン州およびコーンウォール州で何百年にもわたり受け継がれてきた伝統的な乳製品です。「Clotted(固まった、凝固した)」という名前の通り、生乳をじっくりと時間をかけて低温加熱し、表面に浮き上がってきた濃厚な乳脂肪分を集めて作られます。
この伝統製法によって作られる純正クロテッドクリームの最大の特徴が、表面に形成される「コーニッシュ・クラスト(Cornish crust)」と呼ばれる黄色い膜です。初めて見る方は「乾燥して固まったのではないか」「品質が劣化しているのではないか」と誤解しがちですが、これこそがオーブン加熱調理の過程で乳脂肪が凝縮した証であり、本場では最も濃厚で風味が詰まった極上の部位として珍重されています。
英国においてコーンウォール産のクロテッドクリームは、EUの原産地名称保護(PDO)制度によって厳格に守られており、地元コーンウォール産の生乳を使用し、伝統的な製法基準を満たしたものだけがその名を冠することを許されています。砂糖は一切加えられていないにもかかわらず、良質な生乳を凝縮させているため、自然な甘みとナッツのような香ばしい後味が口いっぱいに広がります。

【決定的な違い】クロテッドクリーム・バター・生クリームの成分と風味を徹底比較
クロテッドクリームの立ち位置を理解する上で最も分かりやすいのが、「乳脂肪分(脂質)」の含有比率です。乳製品は、乳脂肪分の割合によって風味、口どけ、用途が大きく変化します。
| 乳製品の種類 | 乳脂肪分(脂質割合) | 100gあたりのカロリー目安 | 製法・風味の特徴と主な用途 |
|---|---|---|---|
| 生クリーム(純乳脂) | 約35% 〜 48% | 約400 〜 430 kcal | 生乳から遠心分離。液状で泡立ててホイップにする。軽やかな口当たり。 |
| クロテッドクリーム | 約55% 〜 60% | 約530 〜 580 kcal | 生乳を低温加熱して濃縮。バターのようなコクと生クリームの爽やかさが共存。 |
| バター(有塩・無塩) | 約80%以上 | 約700 〜 750 kcal | 生クリームを激しく攪拌して脂肪球を結合。固形脂で強いコクと塩味(有塩の場合)。 |
成分比率を見ると明らかなように、クロテッドクリームは「生クリーム以上、バター未満」という絶妙な位置にあります。生クリームほど水っぽくなく、バターほど油分が重たくないため、温かいスコーンにのせても溶け崩れず、口の中で温まることでさらりと溶けていく極上のテクスチャーが生まれます。
また、バターには製造時に塩が加えられる製品(有塩バター)が多いのに対し、伝統的なクロテッドクリームには塩や保存料は含まれません。カロリーや脂質面でも、バターより約20〜25%低いため、見た目の濃厚さに対して胃もたれしにくいという特徴があります。
【本場英国流】スコーンが劇的においしくなる食べ方と「クリームティー」の作法
イギリスにおいて、紅茶とスコーン、クロテッドクリーム、ストロベリージャムがセットになった喫茶習慣を「クリームティー(Cream Tea)」と呼びます。アフタヌーンティーの簡略版としても愛されているこのスタイルには、本場ならではの美味しく食べる作法が存在します。
スコーンを食べる際の最大の鉄則は、「クリームをバターのように薄く塗り広げない」ことです。スプーンでたっぷりとすくい、スコーンの上に山盛りに「のせる(Dollop)」のが英国流の贅沢な味わい方です。スコーンのパサつきを濃厚なクリームとジャムの水分が包み込み、完璧なバランスを生み出します。
なお、イギリスではクロテッドクリームとジャムのどちらを先にのせるかを巡り、歴史的な大論争が存在します。
- デヴォン式(Devon style):クリームを先にたっぷりのせ、その上にジャムをトッピングする方式。「クリームがバターの代わり」という考えに基づく。
- コーンウォール式(Cornish style):ジャムを先に塗り、その上に大きなクロテッドクリームをのせる方式。温かいスコーンに直接クリームが触れて溶けるのを防ぎ、見た目にも美しい。
英国王室の公式行事でも議論になるほどの伝統論争ですが、味の感じ方には明確な違いがあります。クリームを先にのせるとミルクのコクがダイレクトに広がり、ジャムを先にのせると果実の酸味が先に立ち、後からまろやかさが追いかけてきます。自分の好みに合わせて両方のスタイルを試してみるのも、ティータイムの大きな醍醐味です。

【実態検証】どこで買える?ロダス・成城石井・カルディ・業務スーパーの取扱状況
日本国内でクロテッドクリームを手に入れたい場合、一般的な小型スーパーでは取り扱いがないケースが多いため、販売店を絞って探す必要があります。
1. ロダス(Roddas)コーニッシュ クロテッドクリーム
英国で1890年に創業された「ロダス(Roddas)」は、世界中のホテルやアフタヌーンティーで採用されている最高峰ブランドです。手のひらサイズのカップ(28gや113g)で流通しており、表面にしっかりと黄金のコーニッシュ・クラストが張られています。百貨店の英国展や輸入食品専門店、公式オンラインショップ等で安定して入手可能です。
2. 成城石井
全国の輸入食材・高品質スーパーの代表格である「成城石井」では、乳製品コーナーに高い確率で並んでいます。国内乳業メーカーである「中沢乳業(NAKAZAWA)クロテッドクリーム」や、冷凍・冷蔵のロダス製品を取り扱っており、最も入手しやすい実店舗といえます。
3. カルディコーヒーファーム(KALDI)
カルディでは、常時すべての店舗に置いてあるわけではありませんが、大型店舗のチーズ・冷蔵コーナーや、冷凍スイーツコーナーでロダスのクロテッドクリームがスポット入荷・販売されている事例が確認されています。
4. 業務スーパーでの取り扱い実態
低価格と大容量で人気の「業務スーパー」ですが、調査時点において純正クロテッドクリームの常時取り扱いはほぼ確認されていません。冷凍ホイップやマスカルポーネチーズ、クリームチーズ、無塩バターは豊富に揃っているため、後述する「自作・代用レシピ」の材料調達先として活用するのが実用的です。
一般に知られていない盲点と保存の極意|賞味期限と冷凍テクニック
クロテッドクリームを購入する際に最も注意すべき盲点が、「賞味期限の短さ」です。保存料や安定剤を使用していない純正のクロテッドクリームは非常にデリケートで、一度開封すると冷蔵保存でも2〜3日以内に使い切る必要があります。
また、取り扱い時によくある失敗として「スプーンで全体を激しくかき混ぜてしまう」行為が挙げられます。クロテッドクリームは非常に繊細な乳化構造をしているため、練りすぎると水分と油分が分離し、ボソボソとした食感に劣化してしまいます。クラスト層ごとすくうように取り分けるのが美味しく保つコツです。
もし100g前後の容器を数日で使い切れない場合は、購入直後または開封直後に小分け冷凍保存を行うのがおすすめです。スプーン1杯分(スコーン1個分)ずつラップに包み、密閉容器に入れて冷凍庫で保存すれば、約3〜4週間美味しさをキープできます。解凍する際は電子レンジを使わず、前日に冷蔵庫へ移してじっくり自然解凍することで、分離を防ぎなめらかな口当たりが復元します。

手に入らないときの救済策|自作レシピと身近な食材での代用アイデア
近くに輸入食品店がない場合でも、スーパーで手に入る身近な材料を使って、驚くほど本格的なクロテッドクリームの食感を再現することができます。
1. 最も手軽な代用レシピ(マスカルポーネ + 生クリーム)
クロテッドクリームの「濃厚な乳脂肪感」と「さわやかな酸味のなさ」を再現するベストな組み合わせです。
- 材料:マスカルポーネチーズ 100g、純生クリーム(乳脂肪分40%以上)50g、砂糖小さじ1/2(お好みで)
- 作り方:室温に戻したマスカルポーネに生クリームを少しずつ加え、泡立て器でクリーム状になるまで優しく混ぜ合わせるだけです。
2. 水切りギリシャヨーグルト + 無塩バター
カロリーを抑えつつ、適度なコクを出したい場合のヘルシー代用法です。プレーンヨーグルトを一晩しっかり水切りし、室温で柔らかくした無塩バターを2:1の割合で練り合わせます。わずかにヨーグルトの酸味が残りますが、ベリー系のジャムと抜群の相性を見せます。
3. オーブンで作る本格自家製クロテッドクリームの作り方
時間に余裕がある週末には、生クリーム1パック(乳脂肪分47%前後の純生乳製品・無添加のもの)を耐熱容器に注ぎ、100℃〜110℃に予熱したオーブンで8〜10時間じっくり加熱する方法があります。表面に黄金色の膜ができたら取り出して冷まし、冷蔵庫で一晩冷やすと上層に純度の高いクロテッドクリームが固まります(下層に残る液体はパン作り等のスキムミルクとして活用可能)。
【プロの結論】食文化と嗜好から導く「おすすめできる人・慎重になるべき人」の判断基準
クロテッドクリームは、単なるスプレッド(塗り物)を超えて、ティータイムの体験価値そのものを引き上げる特別な食材です。ライフスタイルや好みに合わせて取り入れるための判断基準を整理しました。
クロテッドクリームを心からおすすめできる人
- 本格的な紅茶やアフタヌーンティー体験を楽しみたい人:英国本場のティーサロンと同じリッチな余韻を自宅で再現できます。
- スコーンの水分不足やパサつきが気になっていた人:乳脂肪のなめらかな油膜が生地を包み込み、スコーン本来の小麦の香ばしさを最大限に引き出します。
- バターの塩分や油っぽさが苦手な人:無塩でミルク本来の甘みを感じられるため、後味が非常にすっきりとしています。
慎重に扱うべき・代替品を検討すべき人
- 厳格なカロリー・脂質制限を行っている人:100gあたり500kcal以上と高エネルギーであるため、1回の使用量をティースプーン1〜2杯程度にコントロールするか、水切りヨーグルト代用が推奨されます。
- 数週間にわたり少しずつ使いたい人:開封後の劣化が非常に早いため、使い切りサイズ(28gカップ)を選ぶか、あらかじめ冷凍保存する計画が必要です。
【クロテッド クリーム と は】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:クロテッドクリームとサワークリーム、クリームチーズとの違いは何ですか?
A1:最大の決定的な違いは「乳酸菌発酵の有無」です。サワークリームやクリームチーズは乳酸菌で発酵させているため独特の爽やかな酸味がありますが、伝統的なクロテッドクリームは発酵させずに生乳を濃縮するため、酸味がなく純粋なミルクの甘みとコクが際立ちます。
Q2:スコーン以外にどんな使い道がありますか?余った時の活用法は?
A2:パンケーキ、焼きたてのトースト、ワッフルにのせるのはもちろん、イチゴやイチジクなどのフレッシュフルーツにそのまま添えるだけでも贅沢なデザートになります。また、カレーやビーフシチュー、トマトクリームパスタの仕上げにひとさじ加えると、料理全体のコクが劇的に深まります。
Q3:ロダスのクロテッドクリームの表面が黄色く固まっていますが、取り除いて食べるべきですか?
A3:絶対に取り除かないでください。その黄色い層こそが「コーニッシュ・クラスト」と呼ばれるクロテッドクリームの最も美味しい部位です。下層の白いなめらかなクリームと一緒にスプーンですくい、混ざり合う食感のグラデーションをお楽しみください。
まとめ:本物のクロテッドクリームで至高のティータイムを
クロテッドクリームは、生クリームの軽やかさとバターの濃厚さを併せ持ち、英国のクリームティー文化を何百年も支え続けてきた唯一無二の乳製品です。表面に輝くコーニッシュ・クラストの香ばしさと、口に入れた瞬間に広がるピュアなミルクの風味は、一度味わうとスコーンを食べる際に欠かせない存在になります。
成城石井や百貨店、通販などで手に入る本場ロダス製を贅沢に味わうのはもちろん、手に入らないときはマスカルポーネを使った手軽な代用レシピから試してみるのもおすすめです。ぜひお気に入りの紅茶とスコーンを用意して、本場英国流のリッチで優雅なティータイムを体験してみてください。 (出典: クロテッド クリーム と は(Yahoo!ニュース))